ビジネスの古典

『GREAT BOSS』:思いやりがあって、はっきりしたフィードバック

『GREAT BOSS』(原著 Radical Candor)は、キム・スコットが Google、Apple、スタートアップでの経験から 2017 年に書いた、上司としてのフィードバックの本です。フィードバックを 2 つの軸に置きます。相手を心から気にかけること、そして直接はっきり言うことです。両方を同時にするのが Radical Candor。気にかけるが言わないのは破壊的な共感、言うが気にかけないのは不快な攻撃、どちらもしないのはうわべだけの操作です。スコットは、指摘する前に、まず自分への指摘を求めるようにも勧めています。

要点

  • 心から気にかける:仕事だけでなく、その人の成功を気にかけていると示す。
  • はっきり言う:何を変えればよいかを明確に伝える。
  • 象限は振る舞いを表す:人の分類ではない。だれでもときどきどこかに入る。
  • 先に求める:指摘する前に、自分への指摘を求める。

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どんなときに使うか

大事なほめ言葉や指摘を伝える前、上司が難しいフィードバックを先送りし続けているか、きつく伝わってしまうとき、チームでフィードバックを求め合い、伝え合う習慣をつくりたいときに使います。

日々の指導についての本で、正式な制度の本ではありません。評価の文書には人事評価コメントの下書きのスキル、人事が関わりそうな話には難しい面談の準備のスキルを使います。

押さえておく考え方

はっきり言うはっきり言わない
心から気にかけるRadical Candor破壊的な共感:黙る、包みすぎる
気にかけていると示さない不快な攻撃:思いやりのない厳しさうわべだけの操作:面と向かってお世辞、陰で批判

分類ではなく振る舞い。スコットのサイトは、象限はその場の振る舞いを表すものだと強調し、枠の中にだれかの名前を書かないよう求めています。

ほめることと指摘すること。どちらも具体的で、本心からであるべきです。本から広まった習慣として、ほめるのは人前で、指摘は 1 対 1 で、があります。

求める、伝える、促す。まず自分へのフィードバックを求め、次に伝え、そしてチームのメンバー同士が伝え合うよう促します。

フィードバックというより指導。ねらいは、より良い仕事を助けることです。だから早く、短く、仕事について伝えます。

小さな例で試す

説明のための架空の例です。デザイナーのデザイン案が、2 スプリント続けて締め切りから 2 日遅れ、開発者が待たされました。上司はチームの朝会で「いつもいい仕事をありがとう。次はもう少し早くできたらお願いね」と言うつもりでした。上司は、そのデザイナーが営業から追加の依頼を受けていることも知っています。

これは破壊的な共感です。感じはよいけれど、ぼんやりしていて、人前です。書き直しは 1 対 1 で、すぐに。デザイン案が 2 スプリント続けて 2 日遅れ、開発者が 2 回とも待ったこと。営業から追加の仕事が来ているのを知っていること。次の案が締め切りに間に合うよう、一緒に仕事の量を見直したいこと。そのあと上司は、締め切りの決め方など、自分のしていることで仕事をしにくくしていることはないかを聞きます。

伝える前にフィードバックを確かめる手順

  1. 振る舞いとその影響を書く。性格ではありません。
  2. 気にかけ方を見る。相手は、自分の成功を願われていると感じるか。
  3. はっきりさを見る。相手は、何を変えればよいかが正確に分かるか。
  4. 象限に置く。言うつもりだった言葉をもとにします。
  5. 両方を満たすように書き直し、1 対 1 か人前かを選びます。
  6. 自分への指摘をどう求めるか、言い訳せずにどう受けとめるかを決めます。
  7. 確かめる日を決め、うまくいったと分かる変化も決めます。

自分の下書きでこの手順を回すなら、気にかけて、はっきり言うフィードバック点検のスキルが使えます。伝える文の組み立てにはSBI でフィードバックを書くスキルも役立ちます。

よくある失敗

  • 象限で人を分類する。
  • 指摘をほめ言葉で包む。大事な点が埋もれます。
  • 思いやりのない「正直に言うと」。攻撃として届きます。
  • 伝えるだけで、求めない。

出典について

キム・スコットは Google と Apple で働き、テック企業の助言もしたのちに『Radical Candor』を書き、2017 年に出しました。のちに全面改訂版も出ています。この方法を教える会社を、ジェイソン・ロゾフと共同で立ち上げました。「Radical Candor」と象限の名前は、その権利者の商標です。邦訳は関美和 訳『GREAT BOSS シリコンバレー式ずけずけ言う力』で、東洋経済新報社から 2019 年に出ています。

このページは、私たちが自分の言葉でまとめた独立した要約です。スコット本人、Radical Candor LLC、出版社とは関係がなく、承認も受けていません。書名は本を示すためだけに使っています。ほかの解説はビジネス書と戦略書の解説一覧にあります。

よくある質問

Radical Candor とは?

キム・スコットの言葉で、相手を心から気にかけることと、直接はっきり言うことを同時にするフィードバックです。気にかけるだけで言わない、言うだけで気にかけない、のどちらもうまくいきません。

破壊的な共感(Ruinous Empathy)とは?

相手を気にかけているのに、聞くべきことを伝えないことです。黙っているか、オブラートに包みすぎます。スコットは、上司のフィードバックでいちばん多い失敗だと書いています。

上司が先にフィードバックを求めるべき?

スコットはそう勧めています。指摘する前に、自分への指摘を求め、受けとめられることを示します。それが信頼を生み、自分のフィードバックも届きやすくなります。

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出典

  1. Radical Candor:our approach — 心から気にかけることと、直接はっきり言うこと。破壊的な共感、不快な攻撃、うわべだけの操作。性格ではなく振る舞い (閲覧 2026-11-04)
  2. Radical Candor:the book — キム・スコット。Apple、Google、スタートアップでの話。20 か国語に翻訳。改訂版 (閲覧 2026-11-04)
  3. CiNii Books:『GREAT BOSS』 — 関美和 訳、東洋経済新報社、2019 年 3 月 (閲覧 2026-11-04)
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