公式スキル · 経営戦略

観の目で状況を見直す(五輪書)

急な数字や出来事から一歩引き、『五輪書』の目付にならって、表面の出来事を並べ、推移に置き、相手の心を読んでから、動く・見守る・手放すを決める。

Claude・ChatGPT・コーディング用の AI で使えます。TeamとBusiness では、Pod に入れた公式スキルが改善のたびに自動で最新版になります。

使う場面

AI に渡すもの

できあがるもの

表面の出来事、それを推移に置いた表、判断と結び付けたゆっくりした変化、相手の意図、出来事ごとの「すぐ動く・条件つきで見守る・手放す」、ふだん見る指標をまとめた1ページの見直し。

手順

  1. 引っぱられている先を書く みんなの注意を集めている出来事と、それについて下したがっている判断を、それぞれ1文で書く。その出来事が起きてからどれだけたったかも書く。急ぎの案件の多くは、起きてから1日もたっていない。
  2. 見えたもの(見)を、説明せずに並べる 表面の出来事を、日付・大きさ・出どころとともにすべて書く。例:「昨日の新規登録31件。平日のふだんの幅は不明[要確認]」。原因はまだ書かない。見ることと説明することを分けるのが、この見直しの要。早く書いた原因が、残りの見直しを引きずる。
  3. 全体に置いて見る(観) 出来事をひとつずつ長い期間の推移に置く。直近8〜12期のふだんの幅、前年の同じ時期と比べる。この大きさのことが前にどれくらい起き、そのあと何が続いたかを問う。出来事ごとに「幅の内」「幅の外」「履歴なし」のどれかを付ける。
  4. 遠い所を近く見る 1日では見えないゆっくりした変化を書き出す。数か月にわたる傾向、顧客の構成の変化、この1年の競合の向かう先、施行が近づいている規制など。それぞれが、今週目の前にある判断にとって何を意味するかを書く。チームはたいていこの情報を持っているのに、急ぎの会議では出さない。
  5. 近い所を遠く見る 急な出来事ごとに問う。90日後にも効いているか、誰にとってか。1か月前に起きていて、いまそれを記録で読んでいるとしたら、手を打つか。どちらの問いにも「いいえ」なら、「手放す」の候補になる。
  6. 相手の心を読む 状況を左右する相手(顧客、競合、取引先、自社のチーム)ごとに、実際にしたこと、そこから読める意図[推測]、相手の状態(使える資源、タイミング、かかっている圧力)を書く。武蔵は目付を刀ではなく相手の心に付ける。動きだけでなく、動きの裏にある判断を見る。
  7. 分けて決める 出来事を1行ずつ、兆し(その下の状況を変える)、ゆらぎ(ふだんの幅の内で、意図にも変化がない)、不明(確かめる必要がある)に分ける。そのうえで決める。すぐ動く(兆しで、待つほうが動くより高くつく)、条件つきで見守る(「すぐ動く」に移す数字か出来事を名指しで決めておく)、手放す。「すぐ動く」には担当を1人付ける。
  8. ふだんの目付を決める 武蔵は、忙しいときに急にこの見方を身につけることはできないと戒めている。だから、ふだんの見方にしておく。チームが決まった周期で見る数字や兆しを3〜5個選び、それぞれのふだんの幅を書いておく。次に数字が跳ねたとき、単独ではなく全体の中で読めるようにする。

SKILL.md の全文

AI が読むファイルそのものです。 ダウンロード

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name: five-rings-situational-review
description: 宮本武蔵『五輪書』の目付(観の目・見の目)にならって、状況を広く見直す。表面で動いているもの(アラート、日々の数字の上下、1通の強い苦情、競合の発表)を、その下の状況や相手の意図と分け、長い期間の推移に置いて見てから、出来事ごとに「すぐ動く・条件つきで見守る・手放す」に分ける。急な数字や出来事にチームが反応していて、一歩引いて全体を見たい、数字の落ち込みや跳ね上がりが本物か確かめたい、過剰反応を避けたい、観の目、五輪書をビジネスに生かしたい、判断の前に落ち着いて状況を読みたい、と頼まれたときに使う。
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# 観の目で状況を見直す

宮本武蔵(1584〜1645)は、のちに『五輪書』と呼ばれる書を1643年に書き始め、亡くなる少し前に弟子の寺尾孫之丞に託した。武蔵の自筆本は残っていない。巻は地・水・火・風・空の五つ。水之巻の目付の項で、武蔵は目の付け方は大きく広く付けるものだとし、見方には「観」と「見」の二つがあると言う。中心の一句は「観の目強く、見の目弱く」。このスキルの言い換えでは、全体をとらえる目を強く、ものに付く目を弱くし、遠い所を近く、近い所を遠く見る。相手の刀を知りながら刀を見つめないこと、この目付が一対一でも合戦でも変わらないことも書いている。風之巻では、兵法の目付はおおよそ相手の心に付けるもので、大きな合戦なら敵の軍勢の状態に付ける、と言う。武蔵が書いたのは戦う者の目の使い方で、仕事の見直しに使うのはこのスキルのたとえであり、武蔵の主張ではない。このスキルは武蔵の順番を守る。まず全体をとらえ、相手を読み、細部に手を打つのはそのあと。

## 使う場面

- 数字が落ちた・跳ねた、アラートが鳴った、1社の顧客の強い苦情で、チーム全体が反応しているとき。
- 競合が何かを発表し、チームが今週中に対抗したがっているとき。
- 週次・月次の判断の会議の前に、本当の変化とゆらぎを分けたいとき。
- 何週間も火消しが続き、事業がよくなっているのか悪くなっているのか、誰も言えないとき。
- 競合1社との正面からの比較には使わない(know-enemy-and-yourself を使う)。数年先の未来を描くのにも使わない(scenario-planning を使う)。数字そのもののまとめにも使わない(monthly-kpi-summary を使う)。

## 用意するもの

- 控えている判断か、見直しのきっかけになった急な出来事。どちらもはっきりしなければ、一度だけ聞く。
- 表面の出来事: 何が、いつ、どれだけの大きさで起きたか(日付つきの数字)。
- 同じ数字の長い期間の推移: 少なくとも直近8〜12期分、または前年の同じ時期。なければ頼む。それでもなければ「[要確認: 履歴が必要]」と書き、何も傾向と呼ばない。
- ほかに関わる人: 顧客、競合、取引先、自社のチーム。どう動きそうかの予想ではなく、実際にしたこと。
- 基準値や理由は作らない。推測には「[推測]」、足りない事実には「[要確認: ...]」と付ける。

## 手順

1. **引っぱられている先を書く。** みんなの注意を集めている出来事と、それについて下したがっている判断を、それぞれ1文で書く。その出来事が起きてからどれだけたったかも書く。急ぎの案件の多くは、起きてから1日もたっていない。

2. **見えたもの(見)を、説明せずに並べる。** 表面の出来事を、日付・大きさ・出どころとともにすべて書く。例:「昨日の新規登録31件。平日のふだんの幅は不明[要確認]」。原因はまだ書かない。見ることと説明することを分けるのが、この見直しの要。早く書いた原因が、残りの見直しを引きずる。

3. **全体に置いて見る(観)。** 出来事をひとつずつ長い期間の推移に置く。直近8〜12期のふだんの幅、前年の同じ時期と比べる。この大きさのことが前にどれくらい起き、そのあと何が続いたかを問う。出来事ごとに「幅の内」「幅の外」「履歴なし」のどれかを付ける。

4. **遠い所を近く見る。** 1日では見えないゆっくりした変化を書き出す。数か月にわたる傾向、顧客の構成の変化、この1年の競合の向かう先、施行が近づいている規制など。それぞれが、今週目の前にある判断にとって何を意味するかを書く。チームはたいていこの情報を持っているのに、急ぎの会議では出さない。

5. **近い所を遠く見る。** 急な出来事ごとに問う。90日後にも効いているか、誰にとってか。1か月前に起きていて、いまそれを記録で読んでいるとしたら、手を打つか。どちらの問いにも「いいえ」なら、「手放す」の候補になる。

6. **相手の心を読む。** 状況を左右する相手(顧客、競合、取引先、自社のチーム)ごとに、実際にしたこと、そこから読める意図[推測]、相手の状態(使える資源、タイミング、かかっている圧力)を書く。武蔵は目付を刀ではなく相手の心に付ける。動きだけでなく、動きの裏にある判断を見る。

7. **分けて決める。** 出来事を1行ずつ、兆し(その下の状況を変える)、ゆらぎ(ふだんの幅の内で、意図にも変化がない)、不明(確かめる必要がある)に分ける。そのうえで決める。すぐ動く(兆しで、待つほうが動くより高くつく)、条件つきで見守る(「すぐ動く」に移す数字か出来事を名指しで決めておく)、手放す。「すぐ動く」には担当を1人付ける。

8. **ふだんの目付を決める。** 武蔵は、忙しいときに急にこの見方を身につけることはできないと戒めている。だから、ふだんの見方にしておく。チームが決まった周期で見る数字や兆しを3〜5個選び、それぞれのふだんの幅を書いておく。次に数字が跳ねたとき、単独ではなく全体の中で読めるようにする。

## 出力の形式

```markdown
# 観の目の見直し: [状況]
**控えている判断:** [1文] · **きっかけ:** [出来事、日付] · **見直した日:** [日付]

## 見えたもの(表面)
| 出来事 | いつ | 大きさ | 出どころ |
|---|---|---|---|

## 全体(推移に置いて)
| 出来事 | ふだんの幅/前年 | 幅の内・幅の外・履歴なし |
|---|---|---|

## 遠い所を近く見る
- [ゆっくりした変化] — この判断にとっての意味: [1行]

## 近い所を遠く見る
- [急な出来事] — 90日後にも効くか: [はい/いいえ/不明] — 誰にとって: [誰]

## 相手の心
| 相手 | したこと | そこから読めること[推測] | 相手の状態 |
|---|---|---|---|

## 分けて決める
| 出来事 | 兆し/ゆらぎ/不明 | 決めたこと | 条件または担当 |
|---|---|---|---|

## ふだんの目付
| 見る兆し | 周期 | ふだんの幅 |
|---|---|---|

## 次の行動
- [行動] — [担当] — [期日]
```

## 例

**入力:**「今朝から大騒ぎです。うちはクリニック向けのフォーム作成サービス『ひかりフォーム』をやっています。昨日の新規登録は31件、その前日は52件。直近12週の週ごとの新規登録は290、305、270、310、295、288、320、300、280、315、298、302。昨日は祝日でした。それと、大手のクリニックチェーン(売上の7%を占める、2番目に大きな顧客)から、書き出しが遅いと社長に怒りのメールが来ました。サポートによると修正は木曜に出ます。さらに競合のフォームデスクが昨日、無料プランを発表しました。社長は今週中にうちも無料プランを出したいと言っています。お試しから有料への転換率は、直近3か月ずっと21%。先月解約した40社のうち、3社が価格を理由に挙げました。」

**出力:**

```markdown
# 観の目の見直し: 祝日の新規登録の落ち込み、クリニックチェーンの苦情、フォームデスクの無料プラン
**控えている判断:** 今週、無料プランを出すか · **きっかけ:** 新規登録の落ち込みとフォームデスクの発表、昨日 · **見直した日:** [日付]

## 見えたもの(表面)
| 出来事 | いつ | 大きさ | 出どころ |
|---|---|---|---|
| 1日の新規登録が減った | 昨日 | 前日52件に対し31件 | [プロダクトのデータ] |
| クリニックチェーンからの怒りのメール | 昨日 | 売上の7%を占める顧客 | [社長の受信箱] |
| フォームデスクの無料プラン | 昨日 | 発表のみ | [先方のサイト] |

## 全体(推移に置いて)
| 出来事 | ふだんの幅/前年 | 幅の内・幅の外・履歴なし |
|---|---|---|
| 1日の新規登録 | 週ごとでは12週間270〜320件。1日の幅はデータなし | 祝日の履歴なし[要確認: 前回の祝日の新規登録] |
| 顧客の苦情 | — | 履歴なし |
| お試しから有料への転換率 | 3か月21% | 幅の内 |

## 遠い所を近く見る
- 週ごとの新規登録が12週間横ばい(270〜320件) — この判断にとっての意味: 問題は昨日の落ち込みではなく、成長していないこと。
- 先月の解約40社のうち3社が価格を理由に挙げた — この判断にとっての意味: 価格を気にする顧客はいるが、解約の多くは別の理由[要確認: 残り37社の理由]。

## 近い所を遠く見る
- 祝日の落ち込み — 90日後にも効くか: いいえ(平日も続かないかぎり) — 誰にとって: いまのところ誰にも。
- クリニックチェーンの怒り — 90日後にも効くか: はい、売上の7% — 誰にとって: 売上と導入事例。
- フォームデスクの無料プラン — 90日後にも効くか: 不明 — 誰にとって: ツールを比べている見込み客。

## 相手の心
| 相手 | したこと | そこから読めること[推測] | 相手の状態 |
|---|---|---|---|
| クリニックチェーン | 社長に直接訴えた | 値引きではなく、責任者の名前と日付がほしい | [要確認: 契約更新日] |
| フォームデスク | 無料プランを発表した | 低価格帯で数を取りにいっている | [要確認: 無料プランの制限] |
| 自社のチーム | 社長が今週中の無料プランを望んでいる | 自社のデータではなく、フォームデスクに反応している | 火消しが続いている |

## 分けて決める
| 出来事 | 兆し/ゆらぎ/不明 | 決めたこと | 条件または担当 |
|---|---|---|---|
| 祝日の新規登録の落ち込み | ゆらぎ(おそらく) | 手放す | 週の新規登録が270件を下回ったら見直す |
| クリニックチェーンの苦情 | 兆し | すぐ動く: 社長が今日電話し、木曜の修正日を伝える | 社長 |
| フォームデスクの無料プラン | 不明 | 見守る: 無料プランの制限を読み、フォームデスクを理由に挙げた失注のお試しを数える | 転換率が[要確認: 合意する基準値]を下回ったら動く |
| 今週の自社の無料プラン | — | 今週は出さない。4週間分のデータを見てから決める | [担当] |

## ふだんの目付
| 見る兆し | 周期 | ふだんの幅 |
|---|---|---|
| 週の新規登録 | 毎週 | 270〜320件 |
| お試しから有料への転換率 | 毎月 | 21% |
| 上位10社の顧客の状態 | 毎週 | [要確認: 定義する] |
| 競合を理由に挙げた失注のお試し | 毎週 | [要確認: 基準値はまだない] |

## 次の行動
- クリニックチェーンに電話し、修正日を伝える — 社長 — 今日
- 直近2回の祝日の新規登録を出す — [担当] — 明日
- フォームデスクの無料プランの条件を読む — [担当] — 今週中
```

## 送る前のチェック

- [ ] 原因を書く前に、表面の出来事を日付と大きさつきで並べた。
- [ ] 出来事ごとに長い期間の推移と比べたか、「履歴なし」と要確認を付けた。
- [ ] ゆっくりした変化を1つ以上書き、判断と結び付けた。
- [ ] 誰かの意図についての読みに「[推測]」と付けた。
- [ ] すべての出来事が兆し・ゆらぎ・不明のどれかになり、すぐ動く・見守る(条件つき)・手放すのどれかで終わっている。
- [ ] 「すぐ動く」には担当1人と期日がある。
- [ ] ふだんの目付に、見る兆しとふだんの幅が書いてある。
- [ ] 五輪書からの言葉はこのスキルの言い換えであり、武蔵が仕事について書いたとは言っていない。

## よくある失敗

- 並べる前に説明する。最初に誰かが言った原因がそのまま物語になり、見直しはそれを裏付けるだけになる。
- 2点で傾向を語る。履歴がなければ「履歴なし」と書き、取りに行く。
- 競合の動きだけを見て、意図を見ない。別の客層を狙った無料プランなら、対抗しなくてよいこともある。
- 「一歩引く」を「何もしない」にする。見直しは、少なくとも1つの行動で終える。小さく速い行動であることが多い。
- 武蔵に書いた以上のことを言わせる。武蔵が書いたのは戦う者の目の使い方で、仕事への読み替えはこのスキルのもの。

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出典

出典は英語のページです。

  1. 五輪書 水之巻「兵法の眼付と云事」原文・現代語訳 - 五輪書研究会版テクスト (2026-11-04に確認)
  2. 五輪書 風之巻「他流に目付と云事」原文 - 五輪書研究会版テクスト (2026-11-04に確認)
  3. 五輪書 解題 (five scrolls, writing from 1643, entrusted to Terao Magonojō) - 五輪書研究会 (2026-11-04に確認)
  4. 細川家と宮本武蔵 exhibition, Eisei Bunko (2003) - National Art Center, Tokyo Art Commons (2026-11-04に確認)
  5. Shimada Museum of Arts (Terao Magonojō's copy; no autograph survives) - Japan Tourism Agency multilingual database (2026-11-04に確認)