公式スキル · 法務の基本
NDAの一次確認
NDAを条項ごとに確認し、引用つきの緑・黄・赤の表、まぎれこんだ引き抜き禁止や残留情報条項の印、弁護士への質問にまとめる。
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使う場面
- 見込み客、提携先、取引先からNDAが届き、署名を求められた
- 本格的な確認の前に、弁護士に何を聞けばよいか知りたい
AI に渡すもの
- NDAの全文
- ユーザーがどちらの立場か
- NDAを結ぶ理由
できあがるもの
引用つきで評価した条項の表、求める修正の上位3つ、弁護士への質問。
手順
- 種類を分ける 双務(双方が互いの情報を守る)か片務か。片務で、ユーザーの側も情報を渡すなら赤。ユーザーの情報が守られない。
- 秘密情報の定義を読む 秘密と表示または特定された情報が対象なら緑。表示を問わず「一切の情報」が対象なら黄。ユーザーがすでに持っている情報や自分で開発する情報まで含むなら赤。
- 除外事由を確かめる このスキルの既定のチェックリストは4つ。すでに公知のもの、受領者がすでに知っていたもの、義務を負わない第三者から受け取ったもの、独自に開発したもの。一つ欠けるごとに黄、2つ以上欠けていれば赤。目的の記載も確かめる。英国知的財産庁(UK IPO)のNDAの手引きは、許される目的をできるだけ具体的に書くよう勧めているので、目的がない、またはあいまいなら黄。
- 期間と存続を確かめる 契約の期間と、終了後に義務がどれだけ続くかを書く。UK IPOの手引きによれば、秘密保持の義務は3年か5年に限るのが一般的で、一部の情報(ノウハウ、顧客名簿、個人データ)は期限なく秘密とされる。通常の業務情報について義務が永久に続くなら黄とし、「[弁護士に確認: この情報に期限のない義務は妥当か]」と書く。
- 受領者ができることを確かめる 開示してよい相手(知る必要のある従業員、専門家、関係会社)、法令や裁判所の命令による開示とその通知、終了時の返還または廃棄(バックアップと保管用の1部を認めるか)、ライセンスや知的財産権を与えない旨の記載。
- NDAにそぐわない条項を探す 残留情報(受領者の担当者の記憶に残ったものは使ってよい):開示する側には赤。どちらの立場でも印をつける。従業員の引き抜き禁止、競業禁止、独占、スタンドスティル、購入の義務:赤。これらは秘密保持ではなく、取引の条件である。
- 救済と一般条項を確かめる 差止め(担保の免除がないか、一方だけに有利でないか)、補償や損害賠償額の予定(このスキルの既定では赤。NDAでは珍しい)、準拠法と管轄裁判所、譲渡、署名者。当事者の国が違うのに準拠法も裁判所も定めがなければ黄。準拠法は書いてあるとおりに記し、その法律が何を求めるかは書かない。米国企業と自社の従業員・業務委託者・コンサルタントとのNDAなら、政府職員や弁護士への秘密の開示についての免責の通知(18 U.S.C. § 1833(b))があるか確かめる。なければ「[弁護士に確認: この契約に § 1833(b) の通知は要るか]」と書く。これは米国の規定で、日本の従業員や業務委託者との契約では「[要確認: 日本の法令]」と書く。会社どうしのNDAでは、この確認は飛ばす。
- 表と質問を書く 条項の分野ごとに1行。黄と赤の行には、弁護士への質問を一つずつつける。最後に、いちばん大事な修正を3つ挙げる。
SKILL.md の全文
AI が読むファイルそのものです。 ダウンロード
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name: nda-first-pass
description: 秘密保持契約(NDA、機密保持契約)を条項ごとに確認し、本文の引用と弁護士への質問をつけた緑・黄・赤の表にまとめる。片務的な条件、広すぎる定義、抜けている除外事由、残留情報条項、NDAにまぎれこんだ引き抜き禁止や競業禁止に印をつける。NDAへの署名を求められたとき、「このNDAで大丈夫か」と聞かれたとき、弁護士の確認の前にひととおり見ておきたいときに使う。
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# NDAの一次確認
> 法的助言ではない。弁護士の確認に向けた最初のチェックリストであり、その確認の代わりにはならない。
よい一次確認なら、読み手は1分で、どの条項が普通で、どれに質問が要り、どれが署名を止める理由になるかがわかる。印をつけるときは、必ず契約書の文言を引用する。引用のない印はただの意見だ。
## 使う場面
- 見込み客、提携先、投資家、取引先からNDAが届き、署名を求められた。
- 本格的な確認を依頼する前に、弁護士に何を聞けばよいか知りたい。
- 相手のNDAを自社のひな形と比べている。
- 署名するかどうかを決めることには使わない。その判断は署名する人とその弁護士がする。
## 用意するもの
- NDAの全文。一部しか貼られていなければ、手元の分を確認し、足りない部分を「[受け取っていない]」として挙げる。
- ユーザーがどちらの立場か:開示する側、受け取る側、その両方。わからなければ一度だけ聞く。答えがなければ「受け取る側」とみなし、「[仮定]」と書く。
- NDAを結ぶ理由(営業のデモ、提携の話し合い、採用)。何を「広すぎる」とするかが変わる。
- 任意:ユーザー自身のNDAのひな形や、いつも受け入れない条件の一覧。
## 手順
1. **種類を分ける。** 双務(双方が互いの情報を守る)か片務か。片務で、ユーザーの側も情報を渡すなら赤。ユーザーの情報が守られない。
2. **秘密情報の定義を読む。** 秘密と表示または特定された情報が対象なら緑。表示を問わず「一切の情報」が対象なら黄。ユーザーがすでに持っている情報や自分で開発する情報まで含むなら赤。
3. **除外事由を確かめる。** このスキルの既定のチェックリストは4つ。すでに公知のもの、受領者がすでに知っていたもの、義務を負わない第三者から受け取ったもの、独自に開発したもの。一つ欠けるごとに黄、2つ以上欠けていれば赤。目的の記載も確かめる。英国知的財産庁(UK IPO)のNDAの手引きは、許される目的をできるだけ具体的に書くよう勧めているので、目的がない、またはあいまいなら黄。
4. **期間と存続を確かめる。** 契約の期間と、終了後に義務がどれだけ続くかを書く。UK IPOの手引きによれば、秘密保持の義務は3年か5年に限るのが一般的で、一部の情報(ノウハウ、顧客名簿、個人データ)は期限なく秘密とされる。通常の業務情報について義務が永久に続くなら黄とし、「[弁護士に確認: この情報に期限のない義務は妥当か]」と書く。
5. **受領者ができることを確かめる。** 開示してよい相手(知る必要のある従業員、専門家、関係会社)、法令や裁判所の命令による開示とその通知、終了時の返還または廃棄(バックアップと保管用の1部を認めるか)、ライセンスや知的財産権を与えない旨の記載。
6. **NDAにそぐわない条項を探す。** 残留情報(受領者の担当者の記憶に残ったものは使ってよい):開示する側には赤。どちらの立場でも印をつける。従業員の引き抜き禁止、競業禁止、独占、スタンドスティル、購入の義務:赤。これらは秘密保持ではなく、取引の条件である。
7. **救済と一般条項を確かめる。** 差止め(担保の免除がないか、一方だけに有利でないか)、補償や損害賠償額の予定(このスキルの既定では赤。NDAでは珍しい)、準拠法と管轄裁判所、譲渡、署名者。当事者の国が違うのに準拠法も裁判所も定めがなければ黄。準拠法は書いてあるとおりに記し、その法律が何を求めるかは書かない。米国企業と自社の従業員・業務委託者・コンサルタントとのNDAなら、政府職員や弁護士への秘密の開示についての免責の通知(18 U.S.C. § 1833(b))があるか確かめる。なければ「[弁護士に確認: この契約に § 1833(b) の通知は要るか]」と書く。これは米国の規定で、日本の従業員や業務委託者との契約では「[要確認: 日本の法令]」と書く。会社どうしのNDAでは、この確認は飛ばす。
8. **表と質問を書く。** 条項の分野ごとに1行。黄と赤の行には、弁護士への質問を一つずつつける。最後に、いちばん大事な修正を3つ挙げる。
## 出力の形式
```markdown
# NDAの一次確認 — [相手方]、[日付]
_法的助言ではない。弁護士の確認用に準備したもの。_
**種類:** [双務 / 片務、開示するのはどちらか]
**ユーザーの立場:** [開示する側 / 受け取る側 / 両方]
**記載された目的:** [引用、または「記載なし」]
| 分野 | 評価 | 書いてあること(引用、条項) | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 定義 | [緑/黄/赤] | 「[引用]」(第[n]条) | [1行] |
| 除外事由 | | | |
| 期間と存続 | | | |
| 開示してよい相手 | | | |
| 法令による開示 | | | |
| 返還・廃棄 | | | |
| ライセンスを与えない旨 | | | |
| 残留情報 | | | |
| 引き抜き禁止・競業禁止・その他 | | | |
| 救済 | | | |
| 準拠法と管轄裁判所 | | | |
| 内部通報者への通知(従業員、業務委託者) | | | |
## 求める修正の上位3つ
1. [修正と、それで直る条項]
## 弁護士への質問
- [弁護士に確認: …]
## 本文に見当たらないもの
- [条項のない分野、または「なし」]
```
## 例
**入力(抜粋):** ユーザーは株式会社クオリーラボの中島さんで、北浜リテール株式会社にデモをする予定。北浜リテールからNDAが届いた。
> 第1条 「秘密情報」とは、北浜リテールが受領者に開示する一切の情報をいい、その形式を問わない。
> 第3条 除外:受領者の責めによらずに公知である、または公知となった情報。
> 第5条 本契約上の義務は期限なく存続する。
> 第8条 受領者は、24か月間、北浜リテールの従業員を勧誘してはならない。
> 第11条 本契約は日本法に準拠し、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
**出力:**
```markdown
# NDAの一次確認 — 北浜リテール株式会社、11月4日(水)
_法的助言ではない。弁護士の確認用に準備したもの。_
**種類:** 片務、開示するのは北浜リテール
**ユーザーの立場:** 両方(クオリーラボはデモで自社製品を見せる) [仮定]
**記載された目的:** 記載なし
| 分野 | 評価 | 書いてあること(引用、条項) | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 種類 | 赤 | 「北浜リテールが受領者に開示する」(第1条) | クオリーラボのデモの資料が守られない。 |
| 定義 | 黄 | 「一切の情報をいい、その形式を問わない」(第1条) | 表示が要らないので、話したことのほとんどが当てはまる。 |
| 除外事由 | 赤 | 「受領者の責めによらずに公知である」だけ(第3条) | 既知の情報、第三者からの情報、独自開発が抜けている。 |
| 期間と存続 | 黄 | 「期限なく存続する」(第5条) | 通常の業務情報にも終わりがない。 |
| 引き抜き禁止 | 赤 | 24か月間「従業員を勧誘してはならない」(第8条) | NDAの中に採用の制限が入っている。 |
| 準拠法 | 緑 | 「日本法に準拠し、東京地方裁判所」(第11条) | 書いてあるとおりに記録。 |
| 開示してよい相手、返還・廃棄、ライセンスを与えない旨、救済 | — | 抜粋になし | [受け取っていない] |
## 求める修正の上位3つ
1. デモの資料も守られるよう双務にする(第1条)。
2. 抜けている3つの除外事由を加える(第3条)。
3. 引き抜き禁止を削る(第8条)。
## 弁護士への質問
- [弁護士に確認: 営業秘密に当たらない情報について、期限なく存続する条項は日本法のもとで受け入れてよいか]
- [弁護士に確認: この勧誘禁止は、公開の求人を通じた通常の採用まで制限するか]
## 本文に見当たらないもの
- 開示してよい相手、返還・廃棄、ライセンスを与えない旨、救済(抜粋のみのため)
```
## 送る前のチェック
- [ ] 出力の冒頭に、法的助言ではない旨の1行がある。
- [ ] 黄と赤の行すべてに、契約書の引用と条項番号がある。
- [ ] 法律が何を求めるかを述べた文がない。それは「[弁護士に確認: …]」にしている。
- [ ] 残留情報と、引き抜き禁止・競業禁止・独占の条項に触れている。なければ「見当たらない」と書いている。
- [ ] 本文にない分野は挙げてあり、緑にしていない。
- [ ] 修正の上位3つが、具体的な条項を指している。
## よくある失敗
- 悪いことが書いていないからと、抜けている条項を緑にする。抜けていること自体が一つの発見である。
- NDAを書き直す。出力は質問と求める修正であり、文言は弁護士が書く。
- ユーザーの立場を無視する。残留情報条項は受け取る側に有利で、開示する側に不利になる。
チームで使う
AI Skill Pod に追加すると、業務委託の方も含めてチーム全員が、自分の AI から同じ版を使えます。 AI スキルをチームで共有する方法を読む
変更履歴
- v1.0.0 · · First release.
出典
出典は英語のページです。
- Non-disclosure agreements (UK Intellectual Property Office) (2026-11-04に確認)
- 18 U.S. Code § 1833 - Exceptions to prohibitions (2026-11-04に確認)